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長月の茶事

2020年9月18日 お茶事 [RSS][XML]

9月に入り、秋らしい気配も漂ってきて・・と書きたいところですが、先日の台風9号で小柳茶道教室のある加茂市のお隣り三条市では、9月の観測史上初 気温40度を超えるという、真夏でも無いような暑さを記録しました。

長月2020・迎え花

恐らく加茂市も同じくらいの気温だったのではないかと思ってクラクラしています。秋はいつになったら・・・途方に暮れそうでしたが、今月も半ばに入りやっと少しずつ秋が感じられるようになってまいりました。

そこで小柳茶道教室では、本来は月初めにあった<盆の月>や<重陽の節句>また10月早々にある<中秋の名月>これらを秋らしい室礼でまとめて「長月の茶事」として開かせてもらいました。

まだ外は暑く とても秋らしい花の風情などは探せそうもありませんが、せめて教室にいる間だけは “ 秋 ” を感じてもらいたいと我が家の庭にあるススキなどで玄関を飾り、生徒さんたちを迎えてみました。

茶事の様子 Ⅰ

茶事をさせていただいたこの日は、昼間はまだ秋の様子など微塵も感じられず、夏の名残りの日差しの暑さを感じる陽気でしたが、暑い中来てくれる生徒さんたちに 教室内は秋の涼やかさを感じられるように、出来るだけ室礼にも苦心いたしました。

長月2020・床 長月2020・室礼

この茶事の後、彼岸に向けて日に日に駆け足で秋らしくなっていくようですが、この日はまだ ゆく夏を見送り秋を迎え入れる・・そんな狭間の時がなんとも日本の季節らしくて、ゆっくりと楽しめたらと思っています。

そして秋本番は茶道の季節です。今年は落ち着かない春と夏を皆様もお過ごしかと思いますが、来たるべき秋そして冬がどうか穏やかに過ごせますようにと祈りながら、生徒さんたちとお稽古に励みたいと思います。

茶事の様子 Ⅱ

お菓子は、主菓子(左)には “ 洋風葛餅 ” (博多葛虎 謹製)を使いました。本葛を使い色とりどりのあんを入れて作られた葛餅からはフルーツの甘い香りが漂って、まるで満月のように輝く黄色い葛餅を上に飾り、暑い日の月見団子はこんな爽やかなものも良いかと思い選んでみました。何味が当たるかは生徒さんたちの運しだいというところでしょうか。ただし、どれも美味しいのでハズレはありません。

長月2020・主菓子 長月2020・干菓子

干菓子(右)には “ 薄氷~浴衣~ ” (五郎丸屋 謹製・・下)と “ 大納言 ” (亀屋友永 謹製・・上)を使いました。今年はお祭りの無い年ですが、初秋の祭りは浴衣を着て夕涼み、川の水も澄んで河原の石が涼しい風を届けてくれる・・・そんな想像も思うだけなら良いはずと、可愛らしく並べてみました。優しい甘さが心をホッとさせてくれます。

先ほども書きましたが秋は茶道の季節の始まりです。今年はほとんど何も出来ずに終わるであろうと覚悟しておりますが、そんな中でも何か出来ることはないのかと試行錯誤しながら毎日を過ごし、新しい季節が少しでも良いものになるように精進したいと思います。

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