雪椿茶会
長く寒い冬がやっと終わりを告げ、新潟に春らしい天気が訪れたのは、ほんの半月ほど前だったでしょうか。我が家の庭の花も最近やっと <いつもの春> に追いついてきました。
皆様のお住まいの地域ではいかがでしたか。
暫くは穏やかな季節を楽しめると喜んでいたのもつかの間、今年の春は駆け足で夏を連れてきそうな勢いですが、そんな初夏を思わせる天気の中、小柳茶道教室は加茂市の 「 雪椿茶会 」 に参加させていただきました。
ゆく春を惜しむこともままならないほどの天気の良さで暑く、来て下さるお客様の事を思うと心苦しくはあるのですが、それでも雨の心配をしなくてもいいだけ有り難かったかと思っています。
山の空気は平地のそれよりは爽やかで、 暑さを和らげてくれているようなので、春の名残りの茶席を感じていただければ幸いと思っております。今年は平成30年 “ 平成 ” という年号もあと1年余りとなりました。
次はどんな年号になるのか楽しみですが、これから始まるカウントダウンの中、 落ち着いて平成の茶会を楽しめるのは 今年が最後かと思い、皆様には二重に往く季節に思いをはせながら、お茶を楽しんでいただけますように、社中一同心を込めて一服差し上げたいと思います。
茶会の様子 Ⅰ
加茂山にある青海神社・拝殿でのお茶席は、普段よりも神様が近いせいか神聖に感じられ、清々しい山の風も相まってか、一服のお茶も背筋を正して、と背中を押されているような気さえしてくる茶席でした。
来ていただいたお客様には、いたらないことも多々あり お見苦しい点もあったかと存じますが、皆様に対する感謝の気持ちだけは、私たちの出来る限りで表したいと 生徒一同思っております。不出来な所は これからの日々のお稽古の中で、 補っていけるよう生徒共々頑張りたいと思います。
茶会の様子 Ⅱ
今年の主菓子は加茂市にある「京家」菓子店製作のもので、銘は “ 春乃山 ” とつけさせていただきました。
遅かったはずの春の花は、一斉に咲いてそのほとんどが見頃を終えてしまいましたが、 これから深みを増してゆく新緑と、咲き誇っていた加茂山の春の花々を、一つの菓子の中に写し取って 皆様にお見せしたいと思い作りました。
優しい甘さの中に、その景色を思い浮かべていただきたいと思い、 一椀のお茶と共に思いを込めて差し上げました。