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義士茶会

2018年12月16日 お茶事 [RSS][XML]

今年も早いもので師走に入り、宗へん流にとっては大切なこの時期を迎えることとなりました。

長かった暖かい秋が終わりを告げ一気に冬が来て、心身ともにその対応に追われておりますが、皆様はいかがお過ごしですか。

先月末からの寒波で 北国は雪に覆われるところが多い中、私の住む新潟県加茂市は、不思議なことに今年はまだ雪も積もらず、取りあえずの “ 暖冬 ” を過ごさせてもらっています。例年ならば他の地方と同じように 雪が降っていてもおかしくはない土地柄ですので、本当に喜んでおります。

そのような穏やかな冬の1日に、小柳茶道教室では「義士茶会」を開かせていただきました。

義士茶会2018・床

茶会は、前日も当日も雪が風花のように舞う程度で、当日の朝などは日が差して毎年このような天気なら良いのにと思ったりしていました。ただ雪が降らなくとも寒さは変わらないもので、木枯らしの中 来てくれる生徒さんたちと共に、少しでも暖かい茶会にしたいと思い心くばりをいたしました。

今までは「忠臣蔵」といえば年の瀬の風物詩だったはずですが、世の中の変動と共にだんだん忘れられて行っているような気がして、最近は寂しい思いをしております。変わらないのは、赤穂・吉良どちらの方々にも忠義の心があったことです。現代では人の価値観も随分変わりましたが、大事なものを守りたいという思いは今も昔も変わらないもので、忠義の為に亡くなった方たちを懐かしむ気持ちが今も有ると信じたいものです。

茶会の様子 Ⅰ

今年の義士茶会は、お稽古以外では久しぶりに私もお点前をいたしましたが、初心に帰るような気持ちで緊張感もあり、清々しい思いになりました。生徒さんたちはいかがだったでしょうか。

義士茶会2018・点前 義士茶会2018・茶席の様子

赤穂の方たちは、討ち入りあとはどのような心持ちかと想像したりも致しましたが、私たちとは比べるべくもないものですので、只々謹んでご冥福をお祈りしたいと思います。

一つだけ思い至りましたのは、最近の情報社会はテレビは4Kとか、スマートフォンは5Gとか・・・私にはさっぱりわからないことが始まっているようですが、300年以上前の赤穂の皆さんも、さまざまな姿に身を変え手段を用いて、吉良邸の様子を探り最新の情報を手に入れようとしていた様子は、まさに今と変わらない情報が大事な世の中を本当に生きていらしたのだと納得いたしました。

茶会の様子 Ⅱ

お菓子は、主菓子には 忠臣蔵ゆかりの “ 志ほ万 ” (かん川本舗 謹製)を使わせていただきました。

義士茶会2018・主菓子

このお菓子は、名前通り 赤穂の塩を使った餡で出来たお饅頭です。まろやかな塩の味が塩梅よく効いていて、餡の甘さを引き立てています。皮はあの討ち入りの夜の雪のように白く、そして淡く柔らかで、悲しい話を少しだけやわらげてくれているようです。

義士茶会2018・主菓子&干菓子

また、上の写真左のお菓子 “ 山の幸 ” (亀屋良長 謹製)と、写真右の干菓子 “ 果椒 ” (紫野和久傳 謹製)には、 胡桃などの木の実やイチジクなどの果物がたくさん入っていて、さらに干菓子には山椒の爽やかな辛さが少し感じられます。文字通り山の幸が盛りだくさんに入ったお菓子をいただきながら、寒い冬の茶会を明るく出来ればと思います。

最後はいつも通りにお蕎麦をいただき、平成最後のお稽古でもある茶会は静かに終わりましたが、忠臣蔵の季節はまた来年も必ずやってまいります。来る年にむけ なお一層お稽古に励み、次の義士茶会には今より少しでも向上していたいと、生徒さん達共々気持ちを新たに努力を重ねていきたいと思います。

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