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第32回 新潟県高等学校総合文化祭・合同茶会

2018年8月12日 お茶事 [RSS][XML]

毎日尋常ではない暑さが続く中、8月に入って“立秋”を迎え、名ばかりの秋が始まりました。

各地で多くの災害が起こり、大変な思いをされていらっしゃる方が多いと存じておりますが、暑さは一向におさまらず新潟は日照りで、どうやら水不足が心配のようです。

先日、私が講師を務めます新潟県立加茂高校・茶道部では、立秋の翌日の8日・9日と加茂市で開催された、新潟県高等学校文化連盟主催の「第32回 新潟県高等学校総合文化祭」茶道部門の合同茶会に参加させていただきました。

2018合同茶会・床

私たちの地元である加茂文化会館で開催された合同茶会に、第1席加茂高校(宗へん流)・第2席吉田高校(裏千家)で、席を持たせてさせていただきました。

思えばこの合同茶会に初めて席主として参加させていただいたのが12年前の2006年のことでした。あの時は長岡での開催で、加茂高校と小出高校・中越高校の宗へん流を習う3校が一緒に席を持ちましたが、初の大舞台に生徒たちが緊張していたのを覚えています。

今回は加茂高校が単独で一席持つということで、その責任も緊張も12年前の比ではありませんでした。

茶会当日も暑く、お越しになる方たちは大変だろうと想像していました。その分少しでも小ホールに造ったお茶席では、涼しさを感じていただきたいと室礼に苦心したつもりではありますが、行き届かなかった点も多く心苦しく思っております。

茶会の様子 Ⅰ

当然ですが前の茶会を覚えているのは私だけで、生徒たちにとっては初めての大舞台。約600人ものお客様をお迎えする機会など無かった子供たちが、亭主を務めた部長を初めとして、お客様を気持ちよくお迎えしたいとお稽古に励んでいる姿を思いだしながら当日を迎えました。

2018合同茶会・亭主2018合同茶会・点前

床には<夢>の一字を掛けさせていただきました。

景気低迷の中に育った生徒たちの世代を<さとり世代>と呼ぶのだそうで、欲の少ない世代なのだそうです。欲が深いのは決して良い事ではないと思いますが、若い生徒たちが欲を持てないのは悲しい事のように思われます。欲という言葉を<希望>と言い換えたら、大望でなくとも身の丈より少しだけ高い希望を<夢>を持つのは良いことだと思い、願いを込めて掛けました。

2018合同茶会・お菓子をどうぞ

約1年前に決まった席主という大役を果たす為、この1年、特に今年に入ってからは生徒と共に一生懸命お稽古に励んでまいりました。皆様の目にはどのように映りましたかわかりませんが、手前味噌であっても私個人としましては生徒たちに「努力賞」をあげたいと思います。少し甘いかもしれませんが、足りない分はこれからのお稽古で積み重ねていきたいと思っておりますのでお許し願いたいと存じます。

茶会の様子 Ⅱ

今回の主菓子は「越乃雪本舗 大和屋」謹製で、銘を “ いさりび ” とつけさせていただきました。

2018合同茶会・主菓子

新潟県の佐渡沖では夏にイカ漁の最盛期を迎えます。夜、沢山の明かりを点けた船が沖で漁をする様子が夏の風物詩になっていますが、その時の岸から遠くに見える幻想的な美しい光を<いさりび~漁り火>と呼びます。先ほどの掛け軸同様に、暗闇に浮かぶ小さな光・希望をこのお菓子にも託しました。

何度も大和屋さんと試作をかさねてやっと出来上がったお菓子は、夜の闇に透けて見える明かりが美しく、ゴマの風味が優しい甘さを包んで、爽やかな抹茶と共にいただくには、夏らしい風情の物に仕上がったと喜んでおります。なお、当日お配りした会記にこちらの不手際で菓子の銘が誤って印刷されていたことをこの場を借りてお詫びいたします。

まだ残暑は厳しいようですが、この暑さを乗り切って、生徒たちと共にまた一層お稽古に精進したいと思っております。

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